ロシアとウクライナは1991年終盤、政治面と経済面でほぼ同じ発展段階からソ連崩壊後の歩みを始めた。今日では、ウラジーミル・プーチン大統領率いるロシアが軍事独裁に近い専制国家である一方、ウクライナの政治システムは、欠陥を抱えてはいるものの、政党間の自由な競争と権力の平和的な移行という民主主義における二つの重要な特徴を持ち続けている。北大西洋条約機構(NATO)によるいかなる侵略の脅威でもなく、この違いこそ、プーチン氏が2022年にウクライナ侵攻を開始した真の理由だった。もしウクライナが、安定的で繁栄した、欧米志向の民主主義国家への移行を断続的ながらも進め、それを完了させていれば、プーチン政権にとって差し迫った脅威となっていただろう。ロシア国民は遅かれ早かれ、なぜ自分たちはウクライナが持っているものを手に入れることができなかったのかと問い始めたことだろう。