米商務省は、ロシアのサイバーセキュリティー大手カスペルスキー研究所に対し、オンラインセキュリティー規則に基づく執行措置を検討中だ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。カスペルスキーを巡っては、米国に安全保障上の脅威をもたらすとして長年にわたり非難の声が上がっている。一部の関係者は、商務省がオンライン上の脅威を取り締まる役割を拡大する上で今回のケースは試金石になると指摘する。米国は中国政府の管理下にある技術に対しても同省のオンラインセキュリティー規則を適用することも考えられ、そうなれば中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」も規制対象となる可能性がある。カスペルスキーは今のところコメントの要請に応じていない。トランプ前政権は2017年、同社のソフトウエアを連邦政府のネットワークから完全に排除するよう命じ、議会はこれを法律として成立させた。だが同社は、ロシアやその他の政府との協力を通じスパイ行為など悪意あるサイバー活動に加担しているとの疑惑を繰り返し否定してきた。