サウジアラビアをはじめとするペルシャ湾岸諸国はエジプトに対し、追加の経済支援を実施する条件として、通貨切り下げや財政責任者の交代を求めている。エジプトと湾岸諸国の関係者が明らかにした。これまで寛容な支援を続けてきた近隣諸国が態度を硬化させている。アラブ諸国で人口最多のエジプトは、新型コロナウイルス流行で観光業が打撃を受ける中、ウクライナ戦争に伴う世界的な食料・商品(コモディティー)価格の高騰が重なり、財政が悪化。インフレ率は40%余りに達し、通貨のエジプトポンドは今年に入って大きく下げ、貧困層は数百万人に上っている。2013年にアブデルファタハ・シシ大統領が政権に就いて以来、湾岸諸国は安全保障上の重要なパートナーであるエジプトを支援するため、巨額な資金の援助と預け入れを行ってきた。関係者によると、シシ氏は最大の支援国であるサウジにさらなる支援を要請するため、2日に同国を電撃的に訪問した。