モスクワ郊外にあるレフォルトボ刑務所では、金属が鳴り響く音で尋問が始まる。元収容者やその家族、弁護士らによると、その広大な収容施設の数百の監房を巡回する看守は鍵束を鳴らし、収容者が監房から取調室に連れて行かれていることを知らせる。廊下で指をパチンと鳴らす看守もいる。他の囚人は姿を見せてはならず、職員もできる限りその場を離れるよう警告する合図だ。取調室には木製のテーブル、数脚の椅子、灰色の金庫、壁掛けカレンダー以外ほぼ何もない。カレンダーは、ロシアの主要な国内情報・治安機関である連邦保安局(FSB)が制作したものだ。窓からは何もない中庭が見える。「誰も見かけず、完全に1人だ」。セキュリティーアナリスト兼ジャーナリストでロンドンに移住する前にレフォルトボで何度か尋問を受けたアンドレイ・ソルダトフ氏はこう話す。「雑音も一切聞こえない」「頭がおかしくなる」
ロシアの悪名高い刑務所、WSJ記者はここにいる
レフォルトボ刑務所での耐え難い孤独感を元収容者やその弁護士・家族が語る
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