建設業界が米経済を支える柱として活況を呈している。建設業者が直面するコスト増の相殺に寄与する一方、建設現場での人手不足は深刻化している。米国では工場やインフラなど非住宅建設事業のブームが起きており、金利上昇の影響による住宅建設の低迷を相殺している。建設業者によると、借り入れコストが上昇する中、非住宅建設事業への支出は堅調を維持。通常、借り入れコストの上昇は建設工事の資金調達コストを押し上げる。米国勢調査局によると、2月の非住宅建設支出は前年同月比約17%増の9820億ドル(約131兆円)で、1月からほぼ横ばいだった。米国の建設活動は、電気自動車(EV)の新工場や電子商取引(EC)向けの物流倉庫の建設が追い風となっているほか、新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)に起因する世界的なサプライチェーン(供給網)混乱を受けてメーカーが製造拠点を米国に移したことも奏功し、活況を呈している。国勢調査局によると、2022年は製造業の建設支出が過去最高を記録。公共事業、防衛、EV用バッテリーや半導体生産を対象とする連邦政府支出の拡大に支えられ、建設活動は来年も好調を維持する見通しだと複数の建設業者は指摘する。