ロシアによるウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のエバン・ゲルシコビッチ記者の拘束は、独裁体制を敷く政府が米国人を逮捕するケースが増えていることを反映している。その狙いは米国から譲歩を引き出すことにある。以前はテロ組織などの非国家主体が関与する人質事件が多かったが、流れが変わってきた。ゲルシコビッチ記者は3月29日、ロシア当局にスパイ容疑で拘束された。WSJは断固としてスパイ容疑を否定。西側諸国や世界中の報道機関からは、ロシアはあからさまに国際法や人道法に違反しているとして非難する声が上がっている。今回の事件で、ロシアやイランのような国が注目されやすい米国人を拘束し、外交上の武器として使おうとする傾向が強まっていることも浮き彫りになった。米当局や民間の調査によると、こうした拘束の発生件数はここ数年増加している。
独裁国家で増える米国人逮捕、WSJ記者拘束で注目
米国から譲歩を引き出す手段として使われる傾向が強まる
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