米経済が足元で直面する最大の問いは、「銀行の混乱はどこまで悪化するか」だろう。1カ月前に2行が相次ぎ経営破綻し、3番目の銀行は依然として苦境を脱していない。ただ今のところは、米連邦準備制度理事会(FRB)による緊急貸出制度がシステム全体を揺るがすような事態は防いでいるようにみえる。そして次には「危機は銀行を超えて広がるのか?」との問いが続くはずだ。今回の危機の発端となったシリコンバレー銀行(SVB)の破綻は、金融システムと経済全般に影響を与えている問題の「症状」であり、「原因」ではないためだ。SVBの問題の核心は、逃げ足の速い預金を原資に、大量の米国債を保有していたことだ。昨年の大幅な金利上昇で、保有債券の時価は急落。預金はコストが一段と上昇し、集まりにくくなった。
銀行危機「氷山の一角」か、債務膨張の危うさ
急拡大する「影の銀行」 銀行と同じく金利上昇がリスクに
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