中国は、同国の経済に関する情報を「ブラックボックス化」しており、各国の企業や投資家らはこれについて警戒している。中国当局は、国家安全保障を重視する習近平国家主席の意向を受け、企業の登録情報や特許、調達文書、学術誌、さらには公式統計年鑑などに対する海外からのアクセスを制限、もしくは全面的に遮断している。中でも特に大きな懸念となっているのが、中国で最も重要なデータベースの一つを提供している上海拠点の調査会社ウィンド・インフォメーションへのアクセスが断たれたことで、同社の経済や金融に関するデータは国内外のアナリストや投資家らが幅広く活用している。欧米の研究者やマクロ経済のアナリストらによれば、中国では反スパイ法が改正された後、国外のシンクタンクや調査会社などがウィンド・インフォメーションとの購読契約を更新できなくなっている。ウィンド・インフォメーション側は「コンプライアンス」面の問題を理由としているという。
中国、経済情報を「ブラックボックス化」
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