【資産運用の達人が教える】クレカで借金地獄にハマる人に共通する「3つのヤバい心理」

「将来のお金の不安が尽きない」「貯金や投資なんて余裕はない」「罪悪感で買い物を楽しめない」──​どうすればお金に悩まされず、毎日を過ごせるか？ その答えを提示し、世界で累計100万部突破した大ベストセラー『トゥー・ビー・リッチ 経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方』がついに日本に上陸した。Amazon.comでは1万件以上の星5レビューが集まり、全米から世界中へと実践者が増えている。ケチケチ切り詰めないし、買い物もガマンしない。お金への意識を変え、行動を学ぶだけで、誰もがリッチな毎日を送ることができる。本稿では本書から一部を特別に公開する。

借金から抜け出せない「心理的な要因」

　主にクレジットカードの借金についてお話ししたい。

　まずは、わかりきったことから解決していこう。借金が悪だということはすでにわかっている。また、借金をどうすべきかもわかっている。

　では、なぜ私たちは行動に移すことができないのか？

　その理由はお金だけの問題ではない。心理的なものだ。やるべきことはわかっているのに、どうしてやらないのか？

　借金にまつわる様々な情報をここに並べ立てることもできるが、お金に関する特有の心理をきちんと理解しない限り、どんな情報もあまり意味をなさない。

　だからこそ多くの人が情報としては知っていても、いまだに借金地獄にはまり、高額な手数料の悪質なカードを使い続け、多くの特典を見過ごしている。

　彼らの行動を阻害する要因は何なのか？

　それは知識ではない。もっと別のものだ。

　金融心理学の教授であるブラッド・クロンツ博士は、「お金にまつわる無意識の、代々受け継がれる信仰」を「見えざるマネー・スクリプト」という言葉で説明した。

　子どもの頃に親や社会から植え付けられ、今のあなたの行動に大きな影響を与えているものだ。

　この信仰は極めて強力だが、そのことを自覚できれば、今の自分自身の行動をより深く理解できるようになる。

　次のに挙げているのが、借金にまつわる最もありふれたマネー・スクリプトだ。

（1） 他人と比べる

見えざるマネースクリプト：「そんなに悪いことじゃないわ。みんなカードで借金を抱えている。少なくとも、ミシェルより借金の額は少ないの」

その意味するところ：人間は自分を他人と比較したがるものだ。興味深いことに、より悪い状況に陥るほど、自分はそれほど悪くないと安心したいがために、比較すべき他人を必死で探す。比較したところで状況は変わらないものの、心理的な危機感は軽減される。

（2） 狂った金銭感覚

見えざるマネースクリプト：「たぶん買わない方がいいけど、100ドルなんて今の借金の額に比べたらたいした金額じゃない。たぶん……」

その意味するところ：問題の規模が大きくなりすぎると、わずかな変化を「たいしたものではない」と正当化する（実際には、小さな変化の連続が大きな変化につながる）。借金にはまっている人と、肥満に悩まされている人の意思決定には多くの共通点がある。

（3） 利息を正当化する

見えざるマネースクリプト：「利息を払うのは、手数料を払うようなものだ」

その意味するところ：これを「正当化」という。つまり、借金の利息を払うのはそれほど悪いことではないと考えるのだ。こんなセリフを吐きながら、14パーセントという金利の計算を理解している人にこれまで一度も会ったことはない。

「マネー・スクリプト」は変えられる

　マネー・スクリプトはあなたに異常とも思える行動を取らせる。

　多くの人は自分のお金の使い方が間違っていることを自覚しながら、これまで通りの使い方を継続する。周囲の人から見ると、彼らの行動は奇異に映る。

　ただ、20年以上もマネー・スクリプトを信じ込み、心の襞（ひだ）に植え付けられたことで、それまでの考え方を変えることが困難になるのだ。

　本書の目標は、マネー・スクリプトが変えられることをあなたにお見せすることだ。

　あなたが自分自身に信じ込ませている、借金にまつわるマネー・スクリプトは何だろうか？

（本原稿は、『トゥー・ビー・リッチ 経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方』からの抜粋です）