写真:中国の習近平国家主席中国の習近平国家主席 Photo:Lintao Zhang/gettyimages

習近平が掲げる
マルクス主義の中国化

「実践は我々に語る。中国共産党はなぜ有能なのか、中国の特色ある社会主義はなぜ良好なのか、結局は、マルクス主義が素晴らしいから、もっと言えば、中国化、時代化したマルクス主義が素晴らしいからなのだ。マルクス主義の科学的理論指導を有しているという事実は、我が党が信仰と信念を断固持ち続け、歴史的主動性を掌握する上での根本なのだ」

 昨年10月、習近平総書記が政権3期目入りを決めた中国共産党第20回党大会での報告でこう主張した。「マルクス主義の中国化・時代化の新たなページを不断に切り開き、書き残していくことこそが、当代中国共産党人にとっての厳粛な歴史的責任なのだ」というのが、5年に1度の共産党大会で習近平が発した核心的メッセージの一つであった。

 その後、今年3月に行われた全国人民代表大会を経て、国、政府、軍の新人事が正式に決定、習近平第3次政権が本格始動して2カ月半が経過した。この期間、新政権は、「ゼロコロナ」解除を受けて、国をリオープンし、国内では景気の回復を、海外では影響力の拡大をもくろみ、経済、外交面で精力的に動いているように見受けられる。

 政治面はどうだろうか。