習近平・ゼレンスキーの
歴史的首脳会談が実現
ついにこの日がやってきた。
中国の習近平国家主席がウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行った。2022年2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻して以降、初となる中国・ウクライナ首脳会談である。その意味は深く、歴史的とさえ言える。
3月に行われた全国人民代表大会を経て国家主席に3選した習近平は、10年前、国家主席に初選出された時と同様、真っ先にロシアを公式訪問した。だが、ウクライナにも寄るのではないか、あるいは第三国でゼレンスキーと会うのではないかという臆測が世論では飛び交っていた。
もちろん、戦争がいまだ続いている中、中立を装いつつも実質ロシアを支援している、戦争の長期化に加担していると認識されてきた中国の国家主席が、ウクライナに行く、あるいはゼレンスキーと会談することなどあり得ない、という見方もあった。
結果、習近平はウクライナには行かず、ゼレンスキーとも会談をしなかった。
ただそれは、中国が国家戦略、外交政策の観点から、ウクライナと接触しない、ゼレンスキーと会談しないことを意味していなかった。
4月26日午後(北京時間)、習近平はゼレンスキーと約1時間電話会談をした。会談後、ゼレンスキーは自身のツイッターに、ウクライナ語、英語、中国語で、「習主席と長く、充実した電話会談を行った。今回の電話、およびウクライナ駐中国大使の任命は両国関係の発展に強い勢いを与えるものと信じている」と投稿した。自国民、国際社会、そして中国に対して発信する動機を内包していた。