ラジオをつけるとやたらと聞こえてくるのが、弁護士事務所や司法書士事務所による過払い金返還請求のCMだ。
「なんと、クレジットカードにも過払い金が発生していました」「ずっと前のご利用でも大丈夫ですよ」「記憶が曖昧でも大丈夫ですよ」「間違っていてもかまいません。今すぐお電話を」「あなたも対象か、無料でご確認を」――。どのCMも早口かつ切迫感のある口調で呼びかけてくる。
過払い金の請求原因となる消費者金融や信販会社のグレーゾーン金利による貸し付けがなくなってから、既に十数年が経過している。そういえば何年か前までは「過払い金の請求権はまもなく時効を迎えます」と警告するCMも盛んに流れていた。
にもかかわらず、過払い金CMはその後もなくなるどころか、いまだに民放ラジオでは耳ざわりなほどあふれかえっている。とっくに時効を迎えていてもおかしくないはずなのに、今でも過払い金返還請求を起こせるのはなぜだろうか。そして過払い金CMはいつまで続くのか。(ジャーナリスト・角谷正樹)