【台北(台湾)】台湾の人々は、ウクライナで起きた戦争がどう展開するかをつぶさに追っている。彼らのほぼ誰もがウクライナの大義に共感を抱くが、台湾自体の将来をめぐる結論は大きく割れている。
一方では、社会が固く結束すれば、一見無敵に思える敵でも打ち負かすことができるという教訓だと捉え、懸念される中国の侵略に抵抗する台湾の取り組みを鼓舞するものだと受け止めている。他方では、ウクライナの各都市が煙に包まれる画像から、正反対の教訓を導き出す人々もいる。戦争は最悪の事態であり、たとえ痛みを伴う妥協が必要でも、中国の逆鱗(げきりん)に触れないよう台湾はあらゆる手を尽くすべきという考え方だ。