頭を使って働ける人の思考法

 対して、頭を使って働ける人は感情だけで仕事をすることはありません。どんな仕事でも「好きだからやる」「嫌いだからあと回し」というようなことはせず、「どうして自分のところに仕事が来たのか」を考えることができます。

 勢いで仕事をしてしまう人は仕事に対する好き嫌いからもわかるとおり、自分の気分で仕事を選ぶことしか考えていません。それに対し、頭を使って働ける人は「相手はどうして自分に依頼をしたのか」という仕事に選ばれる視点も持っているのです。

 ですから、感情だけで、好き嫌いを判断するのではなく、「自分にお願いしてきたのは仕事のスピードを期待されたからではないか」「複雑な仕事だけど、自分に期待してくれているのではないか」と相手のことも考えて仕事をすることができるのです。どちらが優秀な人材かは言うまでもないでしょう。

 NSC(お笑い養成所)でも、頭を使って仕事をすることの大切さは日々説いています。ネタをやるときも「どんな舞台で」「どんなお客さん相手に」「どんな時間帯に」見せるネタなのか具体的なイメージをしながら練習するように言っています。

 実際にそれができない生徒は上がっていくのが難しく、芸人としては二流で終わってしまいます。同時に、こういったことを身につけた生徒はどんどん上のステージに上がっていきます。意識すれば誰でもできることですから、ぜひ頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。