薬物の過剰摂取による死者や新型コロナウイルス感染症での死亡、アルコール関連死や自殺が増える中、この10年ほどで米国人の平均余命の低下について不安を抱かせる記事が多くなった。実を言えば、死亡率と平均余命を測る方法は2つある。人々が一番よく耳にする数字は、誤解を招きかねないほど悲観的に未来を表している。米疾病対策センター(CDC)の先月の発表によると、米国人の平均余命――2021年に25年ぶりの低さを記録した――は2022年に男性が74.8歳、女性は80.2歳に上昇した。しかしこの数字は新型コロナのパンデミック(世界的流行)前の水準をまだ大きく下回っている。この統計は「出生時の平均余命」と呼ばれているため、2022年に生まれた子どもはその年数くらいは生きることになるだろうとあなたは思うかもしれない。だがそう思っていたとしたら間違いだ。