米国ではがんの治療で進歩がみられる半面、予防に関しては遅れている。乳がん、前立腺がん、メラノーマ(悪性黒色腫)といった代表的ながんの多くで罹患(りかん)率が上昇していることが新たな報告書で明らかになった。大腸がんは55歳未満の患者が増加している。がんの発症では低年齢化の傾向がみられるが、理由は完全には解明されていない。がん患者の増加に加え、人種や所得別の死亡率などの格差は大きく開いたままで、がんによる死亡を減らす取り組みにおける過去30年の進歩に水を差しかねない。今回の報告書は米国がん協会(ACS)が17日に発表した。協会のシニア科学ディレクターを務め、報告書の筆頭執筆者でもあるレベッカ・シーゲル氏は「がん死亡率の着実な低下には勇気づけられる」とした上で、「しかし、われわれは国家としてがん予防に失敗した」と述べた。
米がん患者が増加 死亡率は低下も
人種や所得に基づく格差は依然大きい
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