株価は今年、債券利回りの上昇に対する耐性を顕著に示している。その理由について多くの人は、特に人工知能(AI)関連銘柄でバブルが膨らみつつあるからだと考えている。ここに示すのは別の理由、一言で言えば生産性だ。生産性の向上、すなわち同じ仕事量で生産が増えることにより、インフレを引き起こさずに成長率を高めることができる。これは好景気を株式にとっての悪材料だと見なしてきた市場が見方を突如逆転させ、好材料と捉えるようになった理由を説明するのに役立つ(筆者には株価がまだ楽観的に見えるが)。リスクは、過去1年間の紛れもない短期的な生産性向上を、長期的な生産性向上が実現しつつある証拠だと市場が捉えることだ。短期的に見ればインフレ率は低下している。それは経済の生産性が高まっているから(主に新型コロナウイルス流行による供給網への打撃からの回復による)であり、景気が減速したからではない。