「家族との楽しい食事は、子どもの成績を伸ばす」そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営でたどり着いた【成績良好な子が育つ「家庭の習慣」】をお届けする。
家庭での楽しい食事→成績良好!
1日平均2時間13分。 何の時間だかわかりますか?
これは、フランス人が1日の食事に費やす平均時間(OECD〈経済協力開発機構〉の調査より)です。堂々の世界一です。
フランス人にとって食事は「栄養補給」だけが目的ではありません。家族のコミュニケーションを密にし、お互いの信頼関係を強める時間を兼ねているのです。
学業と習い事の両立には「親子の強固な信頼関係」が必要だとお伝えしました(詳細は『【一発アウト】「つぶれやすい子」の親が無意識に繰り返していることとは?』を参照)。
親子の信頼関係を強化する最適の場が、家族全員がそろう「食卓」です。
できるだけ家族がそろって食事を取ること。5分でさっさと食べて終わりでなく、「対話」を楽しむことを意識しましょう。親の仕事が忙しくて平日は家族と一緒に食事を取ることが難しい場合は、週末だけでも家族全員で食事を取ることを家庭のルールとしてください。
食事中は、親が率先して会話を切り出し、子どもが自由に発言できる楽しい雰囲気を作りましょう。ポイントは楽しい会話です。悪口、陰口、批判、小言などは封印して、その日にあった面白い出来事やニュースを話題にしてください。
「親子だからわざわざ口に出さなくてもわかり合えるだろう」という考えもあるかもしれません。食事は静かに食べるのがマナーだという考えもあるでしょう。
しかし、親子であっても(夫婦やパートナー間であっても)きちんと「言葉で」伝え合わなければ、お互いを理解することはできないのです。食事は親子の対話の場。そう子どもが認識できるように、親が「対話」を意識してください。
ベネッセ教育研究開発センターが行った調査で、家族そろって食事を楽しんでいる家庭ほど「家族関係が良好」であることがわかっています。またコロンビア大学による調査では、週に5回以上家族で食事を取る家庭の子どもは、成績が良好で、問題行動が少ないことがわかっています。
食事の時間は、親にとっては子どもの心身の状態を見極める時間であり、子どもにとっては緊張する外の世界から解放されて、ほっと一息つける安心の時間です。
安心できる時間があると、子どものやる気はグンと高まります。高いやる気を維持できればパフォーマンスも上がり、おのずと前述の調査にあったように良好な成績にも繋がるのです。
楽しい食事の時間をプレゼントしてあげるーーこれは親の学歴や年収とは関係なく行える、子どもへの最高のサポートです。
さらに、食事の時間が楽しい家庭では、親子関係(夫婦関係も)がぎくしゃくすることは少なくなります。食事は家族の結束を強める上で大切な時間なのです。
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子育て成功のカギは「強み育て」にある
子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?
たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。
つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。
そこで「わが子にピッタリの習い事を詳しく知りたい!」という方のために、著書『「強み」を生み出す育て方』ではオリジナル診断を掲載しています。気質×才能の25タイプ別診断で「わが子にピッタリの習い事」がカンタンにわかります!