故郷・青森にUターンして郷土愛が爆発!30代女性が一から作った「住民の拠点」とは青森・鶴田町随一の景勝地、津軽富士見湖 Photo by Satoshi Tomokiyo

働き方が多様化するいま、ローカルは働く舞台として有力な選択肢のひとつになり得るはず。津軽地方出身の岡詩子さんは、一度は東京で会社員生活を送ったものの、故郷へ戻って一般社団法人の理事に収まった変わり種だ。(取材・文/友清 哲)

同じ遠足でも「楽しい」と「めんどくさい」
幼少期から人の心に興味を持つ

 津軽平野のほぼ中央に位置する鶴田町は、豊かな自然に恵まれた風光明媚な土地柄だ。

 津軽藩の開拓事業により、慶長年間(1596~1614年)に誕生したとされるこの町では、津軽地方の他の地域と同じくリンゴの栽培が盛んである一方、ブドウの品種「スチューベン」の生産量が日本一であることでも知られている。

 そんな鶴田町で生まれ育った岡詩子さん(38歳)が東京の大学に進学を決めたのは、心理学を本格的に学ぶことが目的だった。そのきっかけは、幼少期の「妄想」にあるというから面白い。

「幼い頃にふと、自分がいま生きているこの世の中は、すべて私の頭の中だけにある妄想ではないかと感じたことがあるんです。たとえば目の前にある消しゴムにしても、私が“ある”と信じているから存在するだけなのではないか、と。暇さえあればそんなことばかり考えている子どもだったんです(笑)」

 また、小学生の頃には、同じ体験であっても人により記憶している印象がまるで異なることにも違和感を覚えた。

 たとえば、楽しかった遠足の体験が、ある人にとっては面倒な行事であったり、つまらないものであったりするのは当然だろう。しかしそこで、「現実が先にあるのではなく、人の心が現実を決めているのではないか」となる岡さんの思考回路が、やがて心理学への関心に結びついた。