「FIRE」(金銭的に自立し、早期退職する)という言葉が知られるようになった今も、達成者の“生の声”はあまり世に出てこない。そこで連載『FIRE達成「5人衆」に聞け!』では、FIREを成し遂げた5人の男たちに、資産を築くための考え方を伝授してもらった。#8のテーマは、ズバリ「お金持ちになる方法」。富裕層が若い頃からやっている“習慣”とは?(取材・執筆/ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎、監修・取材協力/作家 寺澤伸洋)
・寺澤伸洋(@ohtsuma):47歳。灘高校・東京大学卒。日系企業を経て「GAFA」日本法人の1社で部長職を経験後、2021年にFIRE達成。作家・講演家・Excel講師としても活動し、『君たちはFIRE後どう生きるか』(Amazon KDP)など著書多数。金融資産額は約1.2億円。
・ぱすたお(@himoneeeeet):34歳。元銀行員。メーカーに転職後、21年にFIREを達成した最年少メンバー。現在は子育てに奮闘中。金融資産額は約8000万円。
・じんべい(@jinbeitesla):42歳。教育関係の会社を経て、23年3月にFIRE達成。テスラ株に集中投資して大成功。太陽光発電システムも3基保有。金融資産額は約7000万円。
・けん(@ken1_biz):42歳。東京都庁に長年勤めた後、23年3月にFIREを達成。界隈では異色の「元公務員のFIRE民」。約6500万円の金融資産に加えて、不動産を複数所有。
・よしお(@FP_4403):47歳。博報堂出身。元マネーフォワード本部長。ベンチャー企業などでも要職を歴任後、23年7月にFIRE達成。金融資産額は約2億円。
・5人衆がFIREに至るまでの経緯を語った記事はこちらから【#1】【#2】
「将来お金持ちになれる若者」と
「なれない若者」の違いとは?
――FIREを達成した「5人衆」にお集まりいただきました。もうすぐ4月になり、新卒社員たちが会社に入ってきます。その中には、将来お金持ちになれる人もいれば、「なかなかお金が貯まらないな…」と嘆きながら会社員生活を送る人も出てくるでしょう。どうすれば前者の“勝ち組”になれるのでしょうか。
ぱすたお:私は30代でFIREを達成できたのですが、今思うと「資産を築くには何が必要なのか」を考え、そこから逆算して早めに投資を始めたのがよかったのかもしれません。
ただ、社会に出たばかりの人にとって、投資は難しく感じられることでしょう。特に今のような株高のタイミングでは、お金を持っている中高年層ですら「下がるまで待った方がいいかな…」「これから始めるのは不利かな…」などと考え、投資に踏み切れない人が多くいます。資産形成はまだこれからの若年層が投資をためらったとしても、その心境は理解できます。
ですが、尻込みしていても仕方がありません。投資の勉強をしながら節約するなど、何かしらの行動に移してみるのがいいと思います。福利厚生の一環で、自社株を割安で買える制度を用意している会社も多いですし、まずはそれを使って「従業員持株会」に入ってみるのも最初の一歩としていいかもしれません。
――FIRE達成や資産形成を目指す人に向けて執筆・講演活動を行っている、“GAFA元部長”の寺澤さんはいかがでしょうか。「お金持ちになれる若者」と「なれない若者」には、どんな違いがありますか?
寺澤:ぱすたおさんのお話とも関連していますが、「お金持ちになれる若者」は、次の「三つの要素」を兼ね備えています。