3月の米インフレ率は低下せず、株価に打撃を与えた。だが俯瞰(ふかん)すると、注目すべきはインフレを巡るストーリーがころころ変わっても株価が強いままということだ。今年に入ってインフレ率は急速に低下しているように見えていた。食品とエネルギーを除くコアの米消費者物価指数(CPI)は昨年12月に前年同月比3.9%上昇したが、22年12月(5.7%上昇)に比べると上昇ペースは鈍化。市場はこの頃、米連邦準備制度理事会(FRB)が24年に6回利下げすると織り込んでいた。3月のコアCPI上昇率は前年同月比3.8%と、2月から横ばいで、ディスインフレのペースは明らかに鈍化した。年内の利下げはおそらく2回にとどまるとの見方が強まっている。米10年債利回りは昨年末の3.88%から4.53%に上昇した。