近年、日本には不動産バブルが到来し、住宅購入は大きな注目を集めている。しかし、そんな最中マイナス金利の解除が決定し、そろそろ家を買おうかと考えていたものの、不安を感じる人も多いのではないだろうか。そんな住宅購入を不安に感じる人の悩みを解決するために『住宅購入の思考法』が発刊された。本記事では発刊を記念して、本文の一部を抜粋、再編集してお届けする。
家に対する考え方は変わってきている
かつて、家は一生に一度の買い物と呼ばれていました。金利も高く、中古住宅の取引も少なかった日本ではまさに家を買うことが大きな決断であり、大人としての成功の証だったのです。
しかし、これからの時代は一生で数回住み替えることができます。金利は低く、選択肢は増え、自分の人生のステージに合わせて家を替える時代になりつつあります。賃貸は引っ越しがしやすく柔軟性が高いというメリットがありますが、この柔軟性を購入でも目指せる時代なのです。
昔は家に合わせて人生を過ごしていましたが、これからの時代は自分に合わせて家を替えていく時代です。ですから、定期的に家の見直しやライフプランの設計をするのがいいですし、そうすることによってその都度最適な答えが見つかるはずです。
たとえば、子供のためにと家を買って住んでいたとして、大学進学とともに18歳で子供が家を出たらどうでしょうか。急に家を広く感じ、持て余すような感覚になる人がほとんどかと思います。
もしくは、在宅での仕事も増えたから、もう少し都心から離れた場所で広い家に住みたいということもあるでしょう。
もちろん、そこで売却をしろというような話ではなく、そういった転機に、もしかしたら家を替えて人生をさらにアップデートしてもいいのではないかと少し立ち止まって考えてみてほしいのです。大事なことは「もう家買っちゃったから……」と家を重荷に感じないようにすることです。
家は皆さんの人生を豊かにするものでなくてはいけません。持ち家があるせいで身動きが取れなくなるのであれば、それは家ではなく、ただの負債です。
ですから、定期的に家のことを考える時間をつくってほしいと思います。もちろん、購入のときほど重たく考える必要はありませんが、一度家を買うと皆さんのレベルはかなり上がるので、自分では意識せずともきっと深いところまで考えられる自分がいることに気がつくと思います。