近年、日本には不動産バブルが到来している。加えてマイナス金利の解除も決定し、「家を買おうと思っていたけど、今はタイミングじゃないのでは?」と不安に感じている人も多いのではないだろうか。
そんな住宅購入を不安に感じる人の悩みを解決するために住宅購入の思考法』が発刊された。本記事では、著者の江口亮介氏による住宅購入に関するオリジナルコンテンツを配信する。

マンションPhoto: Adobe Stock

持ち家が圧倒的に向いている人の3つの条件

 結婚や出産のタイミングで、「そろそろ家を買おうかな」と検討する人は多いのではないでしょうか。
 しかし、いろいろ調べてみると「不動産価格は上がっている」「今のタイミングではないのでは」と不安に感じたり、挫折してしまうケースは少なくありません。

 今回は、「賃貸」と「持ち家」でどちらが自分に合っているのか、私なりの基準をお伝えできればと思います。賃貸も持ち家も皆さんもライフスタイルや考え方にあったほうを選べばよく、どちらが正解というのはありませんが、持ち家を検討しているという方はぜひ参考にしてください。

 私は、以下の3つの条件を満たせる人は「持ち家」のほうがいいと考えています。

1.住宅ローンを好条件で借りられる
2.資産形成をしていきたいと考えている
3.いつか買おうと思いながら、家賃を払い続けている

 それぞれ見ていきましょう。

条件1.住宅ローンを好条件で借りられる

 住宅ローンは人によって条件が変わり、同じ銀行でもAさんは金利0.4%、Bさんは金利0.3%のように金利には差がつきます。

 これは勤め先や過去の滞納歴、物件情報などによって変わるわけですが、現在の住宅ローンは全体的に金利が低くなっています。もちろん、日銀のマイナス金利解除などのニュースはありますが、それでも変動金利に関して言えば、銀行同士の競争によって低金利が維持されている状態です。

 かつては1%を切るだけでもかなりお得だった住宅ローンが、現在では0.2~0.3%台が当たり前になっていますから、これほどお得なことはありません。加えて、住宅ローン控除などの制度も活用できれば、物件の購入金額はグッと抑えられます。

 ですから、正社員として会社に勤めている、過去の滞納歴などもないという方は積極的に住宅購入を検討してもいいでしょう。

 なお、金利が違うとどのくらい支払いが変わるのか、お示しします。

【5000万円の物件を35年ローンの頭金なしで購入した場合】
金利:0.3%→35年総支払額:56,389,153円
金利:3%→35年総支払額:80,818,202円

 同じものを購入するのでも金利でこれだけ大きな差が出ます。

 私は、皆さんの勤め先などをはじめとする信用情報は、大事な「資産」だと考えています。同時に、この資産は年齢とともに下がっていってしまうものでもありますので、使えるときに使うことを頭の片隅に入れておきましょう。

「好条件」と一言で言っても人によって差がありますが、変動金利で概ね0.5%前後であれば、好条件だと思ってよいでしょう。