新型コロナウイルス流行下の瀕死(ひんし)状態から立ち直りつつあるとはいえ、クルーズ船業界の投資家は、些細(ささい)なことですぐに救命ボートに殺到してしまう。
バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)のアナリストは6月14日、クルーズ船各社の「料金設定がやや軟化する」と警告した。これを受けて業界首位の米カーニバルの株価は7%下落した。だが同社が25日発表した2024年3-5月期(第2四半期)決算はそのような懸念を含めた不安を和らげた。利益と売上高は市場予想を軽々と超え、通期業績見通しは上方修正された。そして恐らく最も重要なことに、業界の運搬能力が小幅に伸びる2025年は業績がさらに上向く可能性があると同社は示唆した。
25日のカーニバル株の値上がり率はS&P500構成銘柄の中でトップだった。ウィリアム・ブレアのアナリスト、シャロン・ザックフィア氏は業績予想を引き上げた1人だ。同氏は「需要動向からみて、2025年には相当強い価格決定力を持ちそうだ」と述べた。