外国の大使や外交官の一行が、米大リーグ(MLB)のチーム「ミルウォーキー・ブルワーズ」の本拠地アメリカン・ファミリー・フィールドに集結していた。そこで行われていたのは、ウィスコンシン州南東部に外国から投資を誘致するイベントだ。だがこの時全員の頭にあったのは、米大統領選挙の共和党候補ドナルド・トランプ氏が伴走者に選んだJ・D・バンス氏だ。バンス氏はウクライナ支援反対派の急先鋒(せんぽう)でもある。「ウクライナは窮地に立たされた」。欧州のある高官は16日の朝食の席でウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)にこう語った。トランプ氏が共和党全国大会初日の15日にバンス氏を副大統領候補に選ぶと、もともとウクライナ支援に懐疑的だったトランプ氏が、ウクライナを見捨てるよう丸め込まれかねないとの懸念が欧州中に広がった。欧州各国が恐れているのは、米国の大規模支援がなければウクライナがロシアとの和平交渉で優位に立てなくなるばかりか、完全に戦争に敗北する可能性すらあることだ。
ウクライナ支援懐疑派バンス氏、警戒強める欧州
「ウクライナは窮地に立たされた」と指摘する欧州高官も
有料会員限定
あなたにおすすめ