日経平均株価が史上最高値を更新し、6万円の大台すら視野に入る中、投資家たちの視線は「この上昇は本物か?」「いつまで続くのか?」という一点に注がれている。そんな投資家の悩みに応えるように開催されたのが三井住友DSアセットマネジメント、東京証券取引所など主催のオンライン・セミナー「日本株は上がりすぎているのか!?」だ。

登壇者は、鋭いマクロ経済分析で知られるエコノミストのエミン・ユルマズさん、株式投資で累計100億円以上の利益を叩き出したカリスマ個人投資家のテスタさんほか、運用会社や東証の市場関係者といったそうそうたる面々が勢ぞろい。司会進行は、自身も投資に熱心な国山ハセンさんが務めた。

今回は特に、個人投資家注目の、テスタさん、エミンさんの発言を抜粋して、「日本株新時代」の幕開けを告げる、白熱の議論(前編)をお届けする。(須賀彩子、ダイヤモンド・ザイ編集部)

※三井住友DSアセットマネジメント、東京証券取引所、ネット証券5社による共催イベント「日本株は上がりすぎているのか!?」(2026年2月3日)を元に構成。敬称略。

日経平均6万円は通過点に過ぎない
“脱アメリカ”マネーが日本株にシフト

エミンさんテスタさんテスタさん(写真左)●個人投資家。2005年に元手300万円で株をスタート。以来20年間、リターンがマイナスになった年はない。2024年に累計利益100億円を達成。Xのフォロワーは100万人超。株式投資界におけるカリスマ的存在。
エミン・ユルマズさん(写真右)●エコノミスト・グローバルストラテジスト。レディーバードキャピタル代表。トルコ、イスタンブール出身。1996年に国際生物学オリンピック優勝。1997年に日本に留学し、東京大学理科一類合格、同大学院にて生命工学修士。野村證券でM&Aアドバイザリー、機関投資家営業などに携わる。各種メディアやセミナーで活躍。
Photo by Ayako Suga

ハセン:「日本株は上がりすぎているのか!?」という、今まさに私たちが一番知りたいテーマを議論したいと思います。外は寒いですが、ここは熱いですね。

エミン:そうですね。相場が熱いですからね。今日(2026年2月3日)は、日経平均も最高値を更新していますし、皆さんの関心の高さを肌で感じます。

ハセン:本題に入りましょう。日経平均株価はものすごい勢いで上昇し、まもなく6万円に届こうとしています。正直、このスピード感に恐怖を感じている投資家も多いと思うのですが、エミンさんはどう見ていますか?

エミン:私はもう10年以上前から「2050年までに日経平均は30万円になる」と言い続けてきました。当時は日経平均がまだ1万5000円程度でしたから、かなり笑われましたよ。「エミンは頭がおかしくなったんじゃないか」と。でも、今や“もうすぐ6万円”です。当時の4倍になりました。私の予測がだいぶ現実味を帯びてきたのではないでしょうか。

テスタ:確かに、エミンさんはずっと強気でしたよね。2~3年前に世間が米国株ブームで、“S&P500一択”みたいな空気だった時も、「これからは日本株の時代だ」とおっしゃっていたのを覚えています。

エミン:そうです。実は、2025年のパフォーマンスを見ても、TOPIXは米S&P500やオルカン(全世界株)を上回りました。さらに、2026年に入ってからも上昇局面が続いています。

 面白いデータがあります。トランプ大統領就任以降のパフォーマンスで見ると、G7(主要国)の中で日本株の成績がトップなんです。2位はドイツ。本来、トランプ関税でダメージを受けるはずの製造業大国が買われている。これは非常に興味深い現象です。

ハセン:なぜ、関税の影響もあるのに、日本株は買われているんでしょうか?

エミン:大きな理由は“脱アメリカ”の流れによる資金シフトです。今、世界中の投資家がアメリカ市場の先行きに少し不安を感じ始めています。トランプ政権の政策は不透明感が高く、欧州などの同盟国とも摩擦が起きている。その「米国一極集中」のリスクを減らそうと、資金の配分を見直し始めているのです。

 では、アメリカから資金を引きあげてどこに移すか? 中国には投資しにくい。そうなると、アメリカに次いで市場規模が大きく、流動性があり、法制度が安定している“日本”にお金が向かうのは必然なんです。