グーグルが開発したメガネ型のウェアラブルコンピュータ「グーグルグラス」。
間もなく開発者向けの製品が出荷され、また今年中には一般への販売も開始される予定となっているが、それに先立ち、シリコンバレーの3強ベンチャーキャピタルがグーグルグラス周辺の開発企業に共同で資金を投入するためのファンド「グラス・コレクティブ」を組織した。
3強ベンチャーキャピタルとは、グーグル社のグーグルベンチャーズ、クライナー・パーキンズ・コーフィールド&バイアーズ、アンドリーセン・ホロウィッツである。クライナー・パーキンズは泣く子も黙る最強ベンチャーキャピタル会社で、グーグルを始めとして多くのシリコンバレー企業に投資してきた。そしてアンドリーセン・ホロウィッツは、ネットスケープの元になったブラウザーを開発したマーク・アンドリーセンの会社だ。
“眉唾もの”に見えていた
「グーグルグラス」の強力な後押しに
これだけの名だたるベンチャーキャピタルがファンドを組織したことの意味は、決して小さくない。何よりも、ちょっと眉唾ものに見えていたグーグルグラスの信頼性がぐっと高まったことが挙げられるだろう。
グーグルグラスは、非常にシャープでスマートなデザインがなされているものの、目の前に小さなコンピュータ画面があって、それを着けて町を歩いたり仕事をしたりするという類いのものである。まるでサイバー人間のようだし、普通に会話しているように見えて、実は画面の中で引き出した情報を見ていたりするのだから、少々気味が悪い。同じウェアラブルコンピュータならば、アップルが開発しているという腕時計型など、もっとまともなカタチにならないのかと、ちょっと嘲笑するような意見もあったのだ。
ところが、このグラス・コレクティブのおかげで、グーグルグラスは強力な後押しを得た。また、それ以上にグーグルグラスは単に独立した製品ではなく、これを元にして皆がさまざまなアプリケーションを開発するプラットフォームにもなったのである。