ドイツはプロテスタントの労働倫理を生み出したが、国民の勤労への愛は冷めつつある。2023年のドイツ人の平均労働時間は1343時間で、経済協力開発機構(OECD)に加盟する先進国38カ国の中で最も短かった。ドイツ最大の医療保険会社テヒニカ・クランケンカッセ(技術者疾病金庫)によると、昨年のドイツ人の病気欠勤日数は過去最多の19.4日に上った。労働組合は数十年ぶりに、賃金アップに加えて労働時間の短縮を要求し始めた。社会学者や組織コンサルタントは、燃え尽き症候群や家庭崩壊、生産性の低さ、さらには気候変動の解決策として、休むことのプラス面を称賛している。「若い世代は親の世代ほどプロテスタントの労働倫理に厳密に順応していない。彼らは親を通してそのひどい影響を目の当たりにしてきた」。今年出版された「仕事を減らして人生を充実させる」の共著者、マルガレータ・スタインルーク氏はそう話す。「だから彼らは親や政治家に、悪いけど私たちはもうそんなことはしないと言っている」
「ワーカホリック」の国ドイツ、仕事減らしたい風潮
ドイツ人の勤労への愛は冷めつつある
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