スティーブ・ジョブズは、「最も重要な決定とは、何をするかではなく、何をしないかを決めることだ」という言葉を遺しているスティーブ・ジョブズは、「最も重要な決定とは、何をするかではなく、何をしないかを決めることだ」という言葉を遺している。人生には必ず終わりがやって来るし、ずっと休みなく働き続けることはできない。人の時間もエネルギーも有限だ Photo:Justin Sullivan/gettyimages
*本記事は本の要約サイト flier(フライヤー)からの転載です。

おすすめポイント

 仕事をしていれば、誰にだって「このままでいいのか」という不安に駆られることがあるはずだ。目の前に積まれた大量の仕事を片づけるべく忙しく動き回っているが、そのぶん成果があがっている実感はない。いつも時間が足りず、身体は疲れ果て、心もすり減っていく――。本書は、現代人の抱えるそんな悩みに、35のヒントを提示してくれる。

 本書の著者、塚本亮氏は、ベストセラーとなった『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』や『頭が冴える!毎日が充実する!スゴい早起き』の著者でもある。塚本氏の著書は、ビジネスパーソンの悩みや現状をよく理解したうえで、取り入れやすい解決策を提案してくれるのが特徴だ。本書もまた、すぐにでも試したい仕事術が目白押しである。

「要領よく成果を出す」というと、大量の仕事を効率的にさばく姿を想像するかもしれない。だが本書の提案する働き方はそうではない。重要なのは、「やらないこと」を決め、「やること」にリソースを集中させることだ。降ってきた仕事を片っ端から引き受けていては、どんなに頑張っても、仕事は積み上がっていくばかりだ。仕事が減るどころか、むしろどんどん仕事を任されるようになるだろう。心身ともに健康的に働くには、目の前にある仕事を「本当にやるべきなのか」「やらないと何が起こるのか」を考え、時には「やらない」選択をしたり、戦略的に手を抜いたりすることも必要なのだ。

 効率的に仕事を進める方法を知りたい人にはもちろん、自分の働き方や生き方を見つめ直したい人にも、本書をおすすめしたい。(池田明季哉)