個人投資家の間で大きな支持を集めるベストセラー『株トレ 世界一楽しい「一問一答」株の教科書』、待望の続編『株トレ ファンダメンタルズ編』が発売された。「この株は売り? それとも買い?」「どっちの株を買う?」投資シミュレーションの感覚でクイズを解くうちに株の知識が自然と身につく1冊だ。前作ではチャート分析がテーマだったが、今作では業績や財務の読み方をわかりやすく解説する。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之氏。窪田氏が制作した投資力を鍛える株のクイズに挑戦してみよう。
この株は、売り、買い、それとも様子見?
A社の株を100株保有しています。
ここから、売り、買い、様子見、どうする?
次のチャートと説明を読んで、判断してください。
上のチャートと合わせて、次の説明も読んで投資判断を下してください。
A社はB社に対するTOBを実施しています。
A社はB社にTOB(株式公開買付)を実施中
A社は9月29日に、東証上場企業のB社の完全子会社化を目指してTOBを実施すると発表しました。
買付代金は最大4.3兆円となる見込みの巨額買収です。
B社株の買付価格は、直前の株価に4割のプレミアムをつけています。とても高い価格での買い付けなので、TOB成立は確実と考えられています。
A社の財務負担が重くなることに懸念
B社株をすべて買い取ると4.3兆円の資金が必要で、A社はその大部分を当面借入で賄う予定です。
財務上の負担が重くなることに対する懸念から、A社株は、TOB発表の翌日、9月30日に売買高の増加をともなって急落しました。
A社株は10月に入ってから反発
B社を完全子会社にすれば買収シナジー効果は大きく、長期的にA社の価値を大きく高めるという意見もあります。それにしても買収価格は高過ぎるという意見もあります。
買収に対する評価は割れていますが、A社株は底割れを回避し、少し持ち直したところです。