手書きで文字を書く機会が減ると、小論文試験で原稿用紙に文章を書くときに、基本的な使い方で迷うことがあります。新刊『落とされない小論文 増補改訂版』著者の今道琢也氏が、原稿用紙に書くときの基本的なルールを解説します。(構成・画像/ダイヤモンド社 今野良介)
今さら聞けない原稿用紙のルール
小論文の指導をしていると、原稿用紙の使い方が適切でなく、減点をすることがあります。
最近では、原稿用紙を使って文章を書く機会が減っているため、正しい使い方を知らない人が多いようです。
原稿用紙に書くときには、段落の冒頭は一字空けてから書き始める、行の一番上のマスに「、」は打たないなど基本的なルールがあります。
中には、内容は悪くないのに、原稿用紙の使い方を全く知らないために10点程度の減点をせざるを得ない場合があります。
小論文試験は1点差で合否が分かれることもあるのに、本当にもったいない話です。
そこで、基本的な原稿用紙の使い方をまとめておきます。
また、原稿用紙の「縦書き」「横書き」それぞれの具体的な記入例も示します。
・段落の冒頭は1字空けて書き始める
・行の一番上のマスに 、 。 」などは入れない。そのときは、1行前の行末のマスの文字に重ねて入れる
・「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」「ー」などは、行の一番上のマスにあっても構わない
・横書きの原稿用紙に数字を書く場合、1マスに2つずつ数字を入れる
・アルファベットを記入する際は、大文字は1マス1文字、小文字は1マス2文字が原則
・縦書きで数字を書く際は、漢字が原則。ただし、西暦表記は「千九百九十年」と書くと読みにくいので、「一九九〇年」と書くとよい。それ以外は「百三十個」のように表記する
・英語のアルファベットを縦書きする場合は、1マスに1文字ずつ書く
・縦書きで、英語の長い綴りや複数の単語を並べる場合は、その部分だけを横書きにして書くとよい
『落とされない小論文 増補改訂版』では、このような基本的な書き方のルールのほか、受験者がやりがちなミスとその改善策を「before→after形式」で解説し、最短で合格ラインに到達するためのスキルと知識を網羅的に解説しています。