米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムの「収益マシン」は小休止しているのかもしれない。それがどの程度長く続くかは2兆ドル(約300兆円)の価値にかかわる問題と言える。アマゾンの時価総額は2カ月前の4-6月期(第2四半期)決算発表以来、おおむね2兆ドルを下回っている。発表に含まれていた7-9月期(第3四半期)の営業利益の会社予想は市場予想を下回ったが、それ自体は珍しいことではない。この予想に関しては、アマゾンは保守的なことが多く、ファクトセットのデータによると、過去20四半期のうち16四半期で市場予想を下回った。ただ、4-6月期は売上高の伸びも市場予想を下回り、テクノロジー分野の投資家の間では、アマゾンなどテック大手による人工知能(AI)への巨額の設備投資に対する懸念が強まっている。アマゾンの小売り事業はもともと利益率が低いため、同社全体の収益力は特に重要になる。小売り事業はここ数年、クラウドコンピューティングや広告といった他の事業が支えてきた。アマゾンの2010~19年の年間の営業利益率は平均で2.6%だった。今年6月までの12カ月間の営業利益率は9%だ。
アマゾンの利益率に影、高コストの宇宙開発競争で
営業増益は続く見通しだが、衛星打ち上げコストなどが重荷となる可能性
有料会員限定
あなたにおすすめ