「自分の仕事に足りないことを全部言語化してくれる本」「会社員人生が180度、変わった!」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』シリーズ三部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。今回は、全ビジネスパーソンに必須の「意思決定」のあり方を指南する、シリーズ最新刊『パーフェクトな意思決定 「決める瞬間」の思考法』の中から、特別に本書のエッセンスを解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
「意思」か、「反応」か
人生は、「運」で決まるのでしょうか。
それとも「努力」で決まるのでしょうか。
「運」と言われると、結果が出ないときに他人や環境のせいにしてしまう。
「努力」と言われると、100%自分のせいにして追い詰めてしまう。
ただ、「それぞれ半分ずつだ」と考えるとスッキリします。
「仮説」を立てる
たとえば、4択問題で100問100点満点のテストがあるとしましょう。
適当に埋めるだけでも、平均で25点が取れます。
そこから、努力によって勉強をしていくことで、50点、60点、70点……にしていくことができます。
一生懸命に勉強をして、90点くらいまで取れるレベルになったとしましょう。
ただ、最後の最後、残りの10点ほどは、難しくて「勘」でしか答えられない問題が残ります。
努力によってある程度のところまで行くことができる。
ただ、最後の最後には、勘に頼る部分がある。
そんなイメージです。
その10点のために、時間をかける意味は、そんなにありません。
早く決めて、行動して、失敗して、修正する。
とはいえ、やみくもに答えろというわけではありません。
仮説を立てて、限られた時間の中で考えて、1つ1つに取り組んでいくのです。
さて、あなたなら、わからない問いにどう取り組むでしょうか。
そのシミュレーションをしてみましょう。
(問題)目標と主要な結果を表し、その目標を達成する管理方法を
アルファベット3文字で何と呼ぶでしょう?
①KPI ②USJ ③OKR ④PDF
この問題にどんな順番で取り組みますか。
まずは明らかに間違っているであろう、「USJ(大阪のアミューズメントパーク)」と「PDF(文書データのファイル形式)」が削られると思います。
そして、2択に絞られます。その上で、
「うちの会社の管理方法は『KPI』で、その方法の説明ではないから、おそらく『③』だろう」
というように、仮説を立てると思います。
それによって、次は同じ間違いをしなくなります。ちなみに正解は「③」です。
「勘」を検証する
とはいえ、仕事はテストではありません。キレイに正解が出るわけでもない。
ただ、進め方は限りなく似ています。
仕事も基本的には、合理性によって判断していきます。
しかし、最後の最後に、「勘」によって決める部分が残る。
その繰り返しです。
先ほど、2つの選択肢を削り、仮説を立てて、最後は勘で選びましたよね。
その仮説が正解だったか、それとも間違いだったかは、テストの後に検証する必要があります。
いわゆる、PDCAの「C(検証)」です。
それをすることで、次の成功に結びつけることができます。
仮説を立てて、どちらかを選ぶ。
それが、選択に「意思を持たせる」ということです。
もし、仮説がなければ、それは「反応をしているだけ」です。
迷路で言うならば、右を選んだ場所に立ち戻り、左を選び直すということです。
仮説がないということは、どこに戻って、次は何を選べばいいかを思い出せなくなるようなものです。
仮説があって、初めて意思決定は成立します。
そして、ここでは「テストで空欄にしない」というスタンスも併せて押さえておきましょう。
(本稿は、『パーフェクトな意思決定』の著者・安藤広大氏が特別に書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計150万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。