米大統領選の投票日を翌日に控えた4日、ドナルド・トランプ前大統領は演説で、政敵や移民によって国家が「乗っ取られている」と述べ、暗い展望を描いた。一方、カマラ・ハリス副大統領は「新たな世代のリーダーシップ」に焦点を当てた前向きなメッセージを打ち出し、トランプ氏に言及することは意図的に控えた。このような相反するメッセージは、選挙戦が最終盤を迎える中、分断が見られる米国民にどう訴えるかで両候補が異なる賭けに出たことを示している。トランプ氏は、有権者が怒りを抱き、救済を必要としていると判断。一方のハリス氏は疲弊した国民にアピールし、今後は国家としての団結や希望を持つことが必要になると強調した。両陣営の対照的な姿勢はまた、投票日前日に全国を駆け巡る中で、2人がそれぞれの最大の弱点を補おうとしていることを浮き彫りにした。ハリス氏は国の進路に対する根強い否定的な見方に対抗しており、これは現職政権の候補者がほとんど乗り越えられない課題となっている。かたやトランプ氏は高い不支持率と、自身に固定観念を持つ有権者を克服しようとしている。