ドナルド・トランプ米大統領はこれまで財界エリートの主要人物に囲まれてきた。トランプ氏がホワイトハウスに復帰したからには、その隣人になりたいと考える人は多い。この数カ月、資金力のある政治任用者や新人議員、ビジネスリーダーが首都ワシントンの高級不動産市場に押し寄せ、近郊のバージニア州マクリーンを含む地域で数百万ドルの物件を購入している。昨年12月には、商務長官に指名されたキャンターフィッツジェラルド最高経営責任者(CEO)のハワード・ラトニック氏が、FOXニュース司会者のブレット・バイアー氏が所有していたフォックスフォール地区の邸宅を、ワシントンの物件としては最高値の2500万ドル(約39億円)で取得した。事情に詳しい複数の関係者によると、元ヘッジファンドマネジャーで、ペンシルベニア州から上院議員(共和党)に初当選したデービッド・マコーミック氏は、弁護士だった故C・ボイデン・グレイ氏が所有していたジョージタウン地区の邸宅に1050万ドルを支払った。財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏と、海軍長官に指名された資産運用専門家のジョン・フェラン氏も、高級物件の購入に関心を持っているという。