ミニチュアハニワから動くミニカーまで
このように生成AIと3Dプリンタを使って作るミニチュアや玩具を、筆者は「デジタル民芸品」と呼んでいるのだが、最後にこれまで作った作品をいくつか紹介しておこう。
たとえば、上野の東京国立博物館で昨年の10~12月に開催されていた特別展「はにわ」は、一部を除いて自由に写真撮影ができたので、そこで撮った武人や馬、遮光器土偶などの写真からミニチュアを作った。これらは知人などにプレゼントして喜ばれた。
拡大画像表示
また、奈良の鹿や柚子風呂につかるカピバラを題材にして生成したものもあり、これは出力後にポスターカラーマーカーを使って彩色している。特にカピバラの柚子風呂は、風呂と水面、カピバラ、柚を別々に出力して色を塗り、プラモデルのように組み立てて完成させた。これらは、外国からのゲストが実際にそれぞれの観光スポットで見てきた動物たちをヒントに作り、お土産として渡したものである。
iPhoneの絵文字を3D化
一方で、写真やイラストから立体化できるのなら、絵文字でも可能ではないかと思って作ってみたのが、iPhoneの自動車の絵文字から生成したEmojiカーだ。実際には正面からのイメージのみで生成して色を塗っているが、思いのほか、それっぽく仕上がった。
さらに、70年代のブラジルの自動車で、テスラのサイバートラックの先祖のような形をしたRenha Formigaoというピックアップトラックがあるのだが、その先進的な形の割にはマイナー過ぎてミニカーなどが作られていない。そこで、自作することにして、100円ショップの玩具のゼンマイを組み込み、実際に走行できるようにしてみた。
もしも、子どもたちが自分の作りたいものを生成AIと3Dプリンタの助けを借りて作るようになれば、未来の製造業はきっと面白いことになるだろう。