米鉄鋼大手USスチールは30日、今後も低調な業績が続く見通しだと発表した。同社は日本製鉄による買収計画の実現を目指して法廷で戦う一方、最高経営責任者(CEO)の交代を求めるアクティビスト(物言う株主)への対応にも追われている。米鉄鋼業界では需要低迷が価格を押し下げ、メーカー各社は数カ月にわたり苦境に立たされてきた。USスチールは30日の米株式市場の引け後に発表した2024年10-12月期(第4四半期)決算で、8900万ドルの赤字を計上した。売上高は前年同期比15%減の35億ドル。一時項目を除いた調整後利益は1億9000万ドルで、アナリスト予想を上回った。アクティビストのアンコラ・ホールディングスは今週に入り、日鉄による買収計画を撤回させようと、USスチールに対して委任状争奪戦を仕掛ける意向を明らかにした。デビッド・ブリットCEOおよび取締役会を交代させ、自社が選んだ複数の取締役候補を送り込みたい考えだ。アンコラは、USスチールが米国企業の買収相手を優先するとともに、財務面や経営面の改善を図るべきだったと主張している。