ドイツで2番目に裕福な人口14万人の都市で、市長のクリスチャン・シャープ氏は約1億ユーロ(約161億円)をどう節約するかと頭を悩ませている。この街のドナウ川近くに本社を置く自動車メーカー・アウディは、親会社フォルクスワーゲンを通じて年間1億ユーロ以上の地方税をインゴルシュタット市に納めていたが、その資金の流れは1年以上前に途絶えた。アウディは11月、7-9月の営業利益が91%減少したと報告し、ドイツ国内で数千人規模の人員削減を進めている。アウディの中国事業は、1-9月の9カ月間に前年同期比25%縮小した。ドイツ経済の主力である自動車産業はかつて、中国で売上高と利益のかなりの部分を上げていた。過去には欧米の自動車業界幹部に原始的だと嘲笑されていた中国の自動車メーカーは、手ごわいライバルに変貌し、中国内外で市場シェアを奪っている。
ドイツの経済モデルは崩壊、代替案「プランB」なし
中国の輸入が減速し米関税の脅威が高まる中、独政治家たちは輸出依存型経済に代わる案を全く提示できていない
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