実業家イーロン・マスク氏が率いる米ソーシャルメディアプラットフォーム「X」(旧ツイッター)の債権に投資家が殺到している。同氏の米政府における影響力や、アマゾン・ドット・コムなど大手広告主によるXへの広告掲載の再開などが背景にある。事情に詳しい複数の関係者によると、銀行団は5日、55億ドル(約8400億円)相当のX債権の売却を完了した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先に、銀行団が当初、額面1ドル当たり0.95ドル前後で約30億ドル分を売却する計画だと報じていた。だが関係者の話では、投資家からの旺盛な需要を踏まえて売却規模を拡大した。債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント(ピムコ)やヘッジファンド大手シタデルなどの投資家は、最終的に額面1ドル当たり0.97ドルで購入することに同意した。Xの変動金利債の金利は約11%で、借り入れコストはウォール街で最も高リスクの債権でさえをも数ポイント上回る水準だ。
銀行団、Xの債権55億ドル分を売却 需要旺盛
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