中国人科学者の賀建奎氏は、倫理ガイドラインをかいくぐり、エイズウイルス(HIV)感染に耐性を持つように遺伝子を編集した赤ちゃんを誕生させたと主張したことで、世界中の怒りを引き起こし、刑務所送りになった。遺伝子編集のパイオニアを名乗る賀氏は今、この技術を使って未来の世代のアルツハイマー病を予防することを目指す、またしても物議を醸すプロジェクトで科学研究への復帰を果たそうとしている。実現には極めて高いハードルがある。それは、賀氏を仲間と見なしていない科学界の信頼を得ることだ。国際メディアは賀氏を「中国のフランケンシュタイン」と呼んでいる。賀氏は学術機関に属しておらず、資金の出どころも支援者が誰なのかも明かさない。議論の的になった自身の手法を否定しようとしないこともプラスには働いていない。3月11日には、「倫理が科学的なイノベーションと進歩を阻んでいる」とXに投稿した。