ドナルド・トランプ米大統領が場当たり的に急ぎまとめた関税計画を受け、世界各地の金融市場は気絶しそうになっている。その計画によって、民主党が実現できなかった二つの現象が起きた。一つは関税がトランプ氏を2期目の政権で初めて真の危機に陥らせたこと、二つ目は大統領として適任なのかという疑問を米国の有権者に抱かせたことだ。しかし、トランプ大統領の政権あるいはMAGA(米国を再び偉大に)運動の死亡記事を準備するのは、かなり時期尚早だ。トランプ氏が2015年にトランプタワーのエスカレーターを降りて(大統領選への出馬を表明して)以来、教訓が一つあるとすれば、それはこの男を見くびるべきでないということだ。犯罪容疑者としての顔写真を大統領の肖像画に変えることのできる男は、決して軽視されるべきではない。そして、トランプ氏ほどの才能がない人物ならつぶされてしまいそうな災難に見舞われても、彼は平然としている。
【オピニオン】トランプ氏が関税を望む理由
国内外で自身の個人的権力を強化する手段
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