筆者が1990年代に東京で働いていたとき、ある日本人の同僚が、米国人の特質をよく物語る彼女の父親の体験について話してくれた。日本の降伏で第2次世界大戦が終結した後の時期に、幼い少年だった彼は小さな町に住んでいた。米軍が日本を占領しようとやってきたとき、パニック時の恐怖のようなムードが漂っていた。日本人は彼らの指導者たちから、勝利を収めた米国人が殺人やレイプ、略奪をするだろうと聞かされていた。それは日本軍が打ち負かした敵に対して行ったことと同じだったが、もちろん日本の人々はそのことを知らなかった。やがて米国のトラックが町にやって来た。彼は家族と家の中に隠れ、残虐なことが行われるのは避けられないと身構えていた。彼らは米兵たちが車から飛び降り、道に重い箱を並べ始めたのを見ていた。最初、箱の中には恐ろしい兵器、つまり毒ガスや仕掛け爆弾などが入っていると思っていた。しかし、米兵たちが去って箱が残り、好奇心が旺盛で勇気のある子どもたちが思い切って箱を開けると、中にはチョコレートバーやキャンディーなど、飢えに苦しんでいた日本人が何年も目にしていなかったお菓子が、たくさん詰まっていた。
【オピニオン】米国の評判を地に落とすトランプ氏
トランプ氏の外交政策は、最も偉大な地政学的ブランドに取り返しのつかない打撃を与えている
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