
来たるべきAIの波は、子育てにも大きな影響を与えている。民間学童保育・保育園を広く展開する島根太郎氏はAIと協業する時代にこそ自ら考えて行動する力、すなわち「非認知能力」が求められるという。アメリカで行われた研究を軸にその理由を明らかにする。※本稿は、島根太郎『子どもの人生が変わる放課後時間の使い方』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。
AI時代に適した
子育て方法とは?
2023年に入り、対話型AIサービス「ChatGPT」が世の中に大きな衝撃を与えてからもAI技術の進歩は止まることなく、私たちの想像を超えるスピードで進化を続けています。
必ずやってくるAI時代に向けて、どんなふうに子育てを考えていけばいいのか。保護者の皆さんから、そんなニュアンスの相談を受けることも増えてきました。これまで「良い」とされてきた進学の仕方の意味合いが変わってくるのではないか。
10年後、20年後には評価される能力がガラリと変わってしまうのではないか。先行きが見えないだけにぼんやりとした不安が広がります。
例えば、最近も医療の分野でX線やMRIなどの医用画像をAIで解析して診断に役立てる、画像診断支援のAI利用が拡大しているというニュースがありました。2019年に大腸を対象とした画像診断支援AIが実用化されて以来、現在では、肺や胃、咽頭(いんとう)、乳房、骨、目、脳などの画像診断に活用されているそうです。
こうした画像診断支援AIが腫瘍(しゅよう)などの異常を検知する精度は、すでに人間の医師を上回っていて、膨大な過去のデータから瞬時に類似の症例を検索するなど、認知能力に優れたAIが特性を発揮。その結果を踏まえて、最終的な判断は医師が行うという、人間とAIの協働が始まっている…のだとか。