ドナルド・トランプ米大統領が9日に世界的な相互関税の一部を一時停止したことで、翌日には世界中に安堵(あんど)が広がった。だがこの方針転換を受け、市場に屈した米国の指導者をなだめるために貿易面で大きな譲歩が必要だろうか、という疑問が浮上した。一部のエコノミストによると、トランプ氏がここ数日の市場の混乱を受けて即座に方針転換したことで、世界各国の首脳は、同氏が耐えられる痛みの上限という貴重な情報を得た。これにより、各国首脳は本格的な交渉が始まればより強硬な姿勢をとる可能性があるという。ドイツのシンクタンク、キール世界経済研究所(IfW)のモリッツ・シュラリック所長は「(トランプ氏の)交渉人としての信頼性が低下したと誰もが結論付けるだろう」と話す。「次回は、人々は彼をさらに信用せず、どの時点で再び屈するかを考慮しそうだ。米国にとって交渉が容易になったとは言えない」
トランプ関税停止、世界が悩む「作戦か、狂気の沙汰か」
トランプ関税への対抗措置を控えた各国政府、関税停止はその成果と解釈
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