米国では人工知能(AI)データセンターの電力需要が急増する中で原子力発電を見直す動きが進んでおり、原子力発電所の効率化に向けたAI活用への関心が高まっている。米エネルギー省傘下のアルゴンヌ国立研究所はイリノイ州レモントに拠点を置き、原子炉に関する研究で知られる。原子炉の設計と原発の運転を支援するAIベースのツールを開発したと語るのは、同研究所の原子力科学・エンジニアリング部門のシニアエンジニア、リチャード・ビリム氏だ。「PRO-AID(自動同定・診断のためのパラメーターフリー推論オペレーター)」と呼ばれる同研究所のツールは、20世紀終わりの25年間に全盛期を迎えた原発分野における技術的飛躍を示している。