北欧諸国は長年、軍事的拡張よりも平和への取り組みや快適な生活で知られてきた。だが、いまではそうしたイメージを払拭し、欧州防衛のひな型となりつつある。欧州ではロシアの侵略とトランプ米政権が提供する安全保障を巡る不透明感の高まりに対応するため長年の軍備縮小から転換する動きが広がっており、北欧諸国がけん引役となっている。北欧の主要4カ国はウクライナへの軍事支援では人口比で欧州の上位に入るほか、米国への依存度が低い新たな地域安全保障の枠組みの導入に動いている。どの北欧諸国も、単独でロシアに軍事的に立ち向かうのは難しいだろう。しかし、北欧諸国を合わせた経済規模はメキシコとほぼ同じで、ロシアに匹敵する。北欧諸国はスウェーデンとフィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟を受け、軍隊の一部について統合運用に動いた。