「謙虚さ」と「自信」をアピールして「感じのいい人」に見せる方法
20万部のベストセラー、200冊の書籍を手がけてきた編集者・庄子錬氏。NewsPicks、noteで大バズりした「感じのいい人」の文章術を書き下ろした書籍『なぜ、あの人の文章は感じがいいのか？』（ダイヤモンド社）を上梓しました。
実は、周囲から「仕事ができる」「印象がいい」「信頼できる」と思われている人の文章には、ある共通点があります。本書では、1000人の調査と著者の10年以上にわたる編集経験から、「いまの時代に求められる、どんなシーンでも感じよく伝わる書き方」をわかりやすくお伝えしています。
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文章で「謙虚さ」と「自信」をバランスよく表現する
前回記事でお伝えしたように、感じのいい人はキョロキョロ感を適度に出しているとぼくは考えています。
では、これらの考え方をどう文章に反映すればいいのか。
キョロキョロ感を文章上でうまく機能させるにはコツがあります。
まず代表例として挙げられるのが「専門外ではありますが」「見当違いかもしれませんが」といった謙遜表現です。
ただ、過度なキョロキョロは自信がなさそうに映ってしまうので、使いすぎは逆効果。
また、「全然わからないのですが」「素人の私には無理だと思いますが」といった完全自己否定の表現は、とくにビジネスシーンでは避けるべきです。謙遜が強すぎて逆にネガティブな印象を与えてしまいます。
あと逆に、実績や経験が十分にあるシーンで「素人の考えではありますが」などと謙遜しすぎると、かえって不誠実な印象を与えてしまうことにも注意したいところです。
謙虚さと自信のバランスをとるには、自分なりの主張や見解も提示するのがポイントです。
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【変更前】
素人の考えで恐縮なのですが、この案件の進め方について意見を述べさせていただきます。的外れかもしれませんが、現状の課題は武藤さんチームの人員不足にあるかもしれません。余計なことを言っていたら申し訳ありません。まだ経験は浅いですが、ご参考までに……。
【変更後】
この案件の課題は武藤さんチームの人員不足にあるように思います。見当違いだったら申し訳ありませんが、類似案件での経験から考えると、千葉さんチームの力を一時的に借りることで改善できる可能性があるのではないでしょうか。ご意見いただけますと幸いです。
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謙虚さと自信のバランスをとる方法を図にまとめました。
これらの表現は、「完全な自己否定」でも「過度な自信」でもない、バランスのとれたキョロキョロ感を出すときに役立ちます。
ポイントは「客観→主観／主観→客観」の流れにすること。
「客観×客観」だと主張があいまいになり、「主観×主観」だと説得力に欠けてしまうので、客観と主観を織り交ぜるのがおすすめです。
1988年東京都生まれ。編集者。経営者専門の出版プロデューサー。株式会社エニーソウル代表取締役。手がけた本は200冊以上、『バナナの魅力を100文字で伝えてください』（22万部）など10万部以上のベストセラーを多数担当。編集プロダクションでのギャル誌編集からキャリアをスタート。その後、出版社2社で書籍編集に従事したのち、PwC Japan合同会社に転じてコンテンツマーケティングを担当。2024年に独立。NewsPicksとnoteで文章術をテーマに発信し、NewsPicksでは「2024年、読者から最も支持を集めたトピックス記事」第1位、noteでは「今年、編集部で話題になった記事10選」に選ばれた。企業向けのライティング・編集研修も手がける。趣味はジャズ・ブルーズギター、海外旅行（40カ国）、バスケットボール観戦。
※この連載では、『なぜ、あの人の文章は感じがいいのか？』庄子 錬（ダイヤモンド社）より一部を抜粋・編集して掲載します。
