太平洋で大国間の緊張が高まる中、米軍の優位性を高めるために海軍・海兵隊遠征対艦阻止システム(NMESIS、ネメシス)がフィリピンのバタン島に配備された。遠隔操作可能なトラックに搭載された対艦ミサイル発射装置は、台湾からわずか120マイル(約193キロ)の場所に位置している。世界有数の戦略的な水域で緊張が高まる中、海兵隊にとってネメシスをバタン島に配備することは、中国との戦争に備える緊急対応部隊の再編に向けた重要な試金石だった。中国政府が台湾を自国領土と主張し、また、南シナ海の海上交通路を巡って係争が続く中、米国はこのいずれかを理由にして中国との武力衝突が生じる可能性に直面している。こうした中、米政府は遅れを取り戻そうと奮起している。米国がイラクとアフガニスタンで足止めを強いられていた間、中国は世界最大の海軍を構築し、太平洋の一部地域では、敵対勢力が立ち入れないようにすることを目的とする強力なミサイル兵器も準備している。