細木数子の人生を描いた『地獄へ堕ちるわよ』を美談として消費する私たちに課される重大な責任とは Photo:JIJI
Netflixで配信中の『地獄へ堕ちるわよ』が好評だ。モデルとなったのは、一時代を築いた占い師・細木数子。すでに亡くなり、「過去の人」という印象も強い人物だが、このドラマは現代の視聴者にもリアリティをもって受け入れられている。なぜ“古いはずの成功物語”が、いま再び支持されるのか。本作の構造から、その理由を読み解いてみたい。(フリーライター、鎌田和歌)
戦後の成り上がり人生が
現代で支持される理由
4月27日からNetflixで配信が始まった戸田恵梨香主演ドラマ『地獄へ堕ちるわよ』が好評だ。国内ドラマでは1位を記録し、海外7カ国・地域でもトップ10入りした。さらに配信初週には、非英語圏ドラマシリーズの週間ランキングで4位にランクインしている。国内でのレビューを見ると、好意的な評価がそれなりに多い。
配信前から宣伝が多く、戸田恵梨香があの細木数子を演じる点で大きな話題となっていた。GWに合わせた配信も狙ってのことだろう。
細木数子といえば、30代以上にとってはある時期にテレビを席巻した占い師だ。「六星占術」本で大ベストセラーを出した作家であり、「大殺界」なる言葉を流行らせたタレントでもある。しかし当時からその評価は分かれるところであり、その一刀両断の毒舌に惹かれる人がいる一方で、「偉そう」「胡散臭い」と敬遠する人もいた。
主人公の細木数子を演じた戸田恵梨香 Netflixシリーズ「地獄に堕ちるわよ」 Netflixにて世界独占配信中
一世を風靡(ふうび)したものの、2008年にはテレビから姿を消した。これは反社会的勢力との交際を追及されたためと言われる。その後、2021年に逝去。
すでに「過去の人」という印象が強く、注目度が上がっていたわけではない。このタイミングでドラマ化されることに驚いた人も多かったのではないか。しかしドラマを見てみれば、なるほどこれならNetflixがやってみたかったわけだと納得するところが大きい。Netflixは近年、実在人物や裏社会、昭和の成り上がりといった「強い人生」を描く作品を次々とヒットさせてきた。
なぜこの“古いはずの成功物語”が、現代の視聴者にもリアリティを持って受け入れられたのか。







