「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

【「3割引き」と「2つ買ったら1つ無料」、どちらがお得?】数字に弱い人ほど見落としがちな“1つの盲点”の正体Photo: Adobe Stock

「どちらが得?」すぐに答えられますか?

どちらがお得?
A「3割引き」
B「2つ買ったらもう1つ無料」

みなさんはこの2つのうち、どちらがお得だと思いますか? 「え、だいたい一緒でしょ」「Bでしょ」「Aでしょ」さまざまな意見があるかもしれませんね。

先に結論を言ってしまうと、数字だけを単純に見れば、3つ購入することを前提にするとB「2つ買ったらもう1つ無料」のほうが割引率が高いです。

3つ買って、2つ分の値段しか払っていないので、実質33%引きになります。Aは3割引=30%引きなので、少し差がありますね。

A「3割引き」がお得になるパターン

しかし、状況次第では必ずしも「お得」とは限りません。たとえば、そもそも3個もいらないモノを“無料だから”といって余分に買ってしまうと、結果的に無駄になることがあります。

一方の「3割引き」は、1個目から確実に安くなります。つまり、たくさん買う予定がない場合でもすぐに割引の恩恵を受けられます。

このように、「どちらが得か」は、購入する数量や目的によって変わるわけです。

数字に強い人は「割引率」を鵜呑みにしない

数字に強い人は、割引率の高さだけでなく、「そもそもその商品を何個必要としているのか」「在庫を抱えても使い切れるのか」といった視点を同時に持っています。

たとえば実際の生活で考えてみると、安く買いだめしておきたい商品(日用品など)なら「2つ買ったらもう1つ無料」のほうがトータルで得になるかもしれません。逆に、使い切れない在庫を抱えてしまうリスクがある(たとえば、期限の短い食料品など)なら、3割引きでも必要分だけ買うほうが無駄がないと考えられます。

数字に強い人と弱い人を分けるポイントは、「割引率」を鵜呑みにするのではなく、“いかに自分の現実の必要性や使用シーンと照らし合わせられるか”にあるのです。必要数や使い道をしっかりイメージし、そこに割引の仕組みを組み合わせて考えられれば、セールやキャンペーンに惑わされず、賢い買い物ができるようになるでしょう。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)